グロー放電

グロー放電とは

​ グロー放電(Glow Sischarge)とは、ネオンサインに見られるような非常に柔らかな感じの光をともなう真空放電の一つであって、数Torr(mmHg)の低圧気体中で起こりやすい自続放電です。

 ガス圧が1/1000Torr以上の期待を封入した容器内の電極間に、直列抵抗を通して直流電流を印加し、次第に電圧をあげていくと気体は宇宙線などによって常に幾分か電子されているので、はじめは微小電流が流れ電圧の増加に伴って電流も増加するが、やがて電圧が一定のまま電流のみが増加する、いわゆるタウンゼント放電となり、自続放電域に入ります。電流値がこのタウンゼント放電の限界域を越えると、前期グロー放電域に入り、電流が急激に増すとともに、電極間電圧は低下します。

 この前期グロー領域を過ぎると、電流は電圧印加回路に挿入した直列抵抗によって規定され、電流は増すが電圧が一定の正規グロー放電となります。この領域では、グロー放電はぼんやりした色が見え、電流が少ない間は陰極表面のグローが小さいが、電流が増すにつれて大きくなはるが陰極の一面だけを覆い、全面を包むことを自ら控えている状態です。

 更に電流を増すと、それにつれて電極間電圧も増加し、非常に大きい電力密度が得られる領域に入ります。この放電領域を正規グロー放電に対し、異常グロー放電と言い、放電は負グローが陰極の表面全体を覆うようになります。グロー放電による処理はこの放電領域で行われます。

イオン窒化中

グロー放電の特徴

 グロー放電では、陰極と陽極の発光自体に空間分布を見ることができます。これは両極間の電圧、ガス雰囲気、成分によって異なり、電位分布、光の強さ、電界の強さ、電流密度が変わります。右図は、グロー放電の諸特性を示したもので、光の強さは陰極直前で非常に強い光を出します。電位差は陰極直前数mmにおいて、電位的に急激な降下勾配を示しています。このような勾配を陰極降下といいます。急激な陰極降下のために、テレビのブラウン管、または電子ビーム溶接機に見られるように、イオンまたは電子を高速度に加速でき、大きな運動エネルギーを与えることができます。また陽極柱は陰極、陽極間の距離に応じて電流を陽極に導くリード線の役目を果たしているものです。この間でのエネルギーロスは、電位差勾配からもわかるように、非常にわずかであり、そのため陰極、陽極間隔が変わっても処理状態に支障はなく処理を行うことができます。

グロー放電の諸特性一覧図